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2009 年 7 月 のアーカイブ
イスラムヘーレス、カリブのけだるく暑い昼。
2009 年 7 月 31 日 金曜日

イスラムヘーレスという島が、メキシコ・カンクン沖にある。
私がイスラムヘーレスを歩いたずっと後に、写真家の赤沼博志さんと旅談義をしていて、偶然、この島の名前が出た。

「イスラムヘーレスの、安宿のパティオには食堂にジュークボックスがあってさ、いつもボブマーレーがかかってたんだ。
ゲストルームの天井には、今にも飛び出しそうなファンがグヴォングヴォンと低くうなりながら回転してて。
初めて旅行して感じたアメリカへの憧れには存在しない、人間臭いそのファンの存在に、旅を強く実感したんだ」。

赤沼さんが、そんな話をしてくれた。
ホテルが並ぶ一大リゾート、カンクンのその先にある、けだるく暑いカリブの昼。
私もどういうわけか、イスラムヘーレスと聞いて思い出すのは、けだるい暑さと、頭上のグヴォングヴォンという音で、
それはビーチや海よりも、強烈に脳に刻まれている。



バレンシアの青い空。
2009 年 7 月 21 日 火曜日

“ラ・クラーラ”。
ローカルの間では、「光輝く」という意味の愛称で呼ばれている、スペイン地中海沿岸の街・バレンシア。
美しい古都、温暖な気候に恵まれた地中海リゾート、壮大な近代建築群、春の火祭り、バレンシアオレンジとパエリア……。
この街を有名にしているものはたくさんあるけれど、一番輝かしいと感じたのは、青空だったかもしれない。

19世紀半ばまで城壁に囲まれていた旧市街を歩き、小さなカフェやバールが並ぶ裏路地に迷い込むと、石造りの建物の上には真っ青な空。
そのどこまでも続くような青さは、中世の面影を色濃く残す街並みと美しいコントラストを描いていた。



走れ!マニラのジプニー。
2009 年 7 月 14 日 火曜日

7月のマニラは、雨期真っ只中。
街中を縦横無尽に走るジプニーを、スコールが濡らす。

ジプニーは、フィリピン名物の乗り合いバスだ。
米軍払い下げジープを改造して客を乗せたのが始まりで、「ジプニー」という呼び名は乗合タクシーを意味するjitneyの合成語と言われているけれど、「膝(knee)と膝をくっつけて座るJeepだから、ジプニー」だとも。

カラフルに彩られたジプニーは、大雨の中でも、決してひるまない。
洪水のような道路の上を、まるで水陸両用バスのように、ジャブジャブと進んでゆく。
それはまるで、ジプニーに乗る人々のしたたかさやたくましさを主張するかのように、街の中で圧倒的な存在感を放っている。



ボルネオ、熱帯が香る朝のマーケット。
2009 年 7 月 7 日 火曜日

海外出張に出たら、なんとか時間をつくってでも絶対に立ち寄りたいのが食材マーケット。
魚の頭だとか、皮をむしった鶏だとかがごろっと店頭に並んでいて、野良ネコが我が物顔で昼寝していて、ちょっとむわっとした空気が流れていて、活気があるようでボーっとしてる店主も多くて、、そんな雰囲気がとても好きなのだ。

ボルネオのバトゥプティ村にあるジャングルにロケ入りする日の朝。
私たちが立ち寄ったのは、サンダカンという街にある市場だ。
格別に変わった生鮮食品はないけれど、どういうわけか鮮魚の並べ方がオブジェのようだったり、野菜の並べ方が妙にアートだったり、日本の市場とはずいぶん雰囲気も違う。

おしゃべりに興じる野菜売り場のお嬢さんたちの頭上では、熱帯の朝の空気が、ゆっくりゆっくりと旋回していた。


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