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文・写真/Kazumi Serizawa

  96年冬の上海、紅橋国際空港(旧上海国際空港)。

降り立った到着ロビーは、まだ夕方4時だというのに、人もまばらで閑散とし、
すでにクローズした両替所の中では係員が大あくびをしていた。

一元も持たず、当時、北京語を全く解さなかった私は、
身振り手振りでなんとか数千円を両替して、ようやっとタクシーで郊外の宿泊先に向かった。

高速道路はまだ1つしかなく、道路は渋滞し、ひっきりなしにクラクションと罵声が聞こえた。
タクシーのひび割れた窓の外には、竹で養生された高層ビルの建築現場が連なっていた。

あれから10年、中国大陸をはじめ、
アジアを旅する機会に幾度となく恵まれている。
そのたびに驚かされるのは、街の変貌振りだ。
数年のあいだに、がらりと様子を変えてしまうアジアの街は、昔みた光景と今みた光景と、
ダブルエクスポージャで旅することができる。
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異国の成長は、ときに旅人を喜ばせ、ときに失望させる。
だが、日本にいると、数週間であの湿度と喧騒と包容力が懐かしくなってしまうのだ。

アジアは懐が深く、いつまでも飽きることがない。
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